感染症の予防は、3段階からなる予防医療の第一段階(一次予防)にあたります。
当院では、積極的な予防医療を推進する上で、徹底した感染症予防を推奨しています。
具体的には、適切な薬剤・製剤を用いて、ウイルス性伝染病、フィラリア、
ノミ・ダニ媒介性感染症、消化管寄生虫を予防します。
獣医療の発達に伴い、これまで防ぎようがなかった病気が防げるようになってきています。
防げる病気にかかってしまうと、その時になって「予防さえしていれば・・・」と深い後悔の念に苛まれます。動物は、これが防げる病気だったのか理解することも後悔することもできません。罪もない動物に不要な苦しみを与えることになり、飼い主様・動物ともに非常に辛い思いをすることになります。
その上、積極的・集中的な治療が必要になり、場合によっては命に関わることもあります。
かかってから後悔するのではなく、正しい知識と予防によって日々を安心して過ごしましょう。
ネコちゃんの間で流行する伝染病を防ぐワクチンです。
仔猫の頃は2回、その後は毎年1回の接種になります。
予防できる病気の種類により、3種混合、7種混合などあります。
ライフスタイルによって適したワクチンをご提案させて頂きます。
昔は犬の病気と思われていましたが、最近の研究により猫も蚊に刺されてフィラリアに感染・発症することが明らかになりました。
咳や呼吸困難などの喘息のような症状や、嘔吐、食欲不振を示しますが、無症状のまま進行して突然死を引き起こすこともあります。
猫の場合、確実な診断法・治療法が確立されておらず、予防が何より大切です。
猫は薬を飲むのが苦手なため、スポットタイプによる予防をおすすめしています。
どちらも愛猫の免疫力を低下させ、寿命を縮める怖い伝染病です。
15分ほどの血液検査で、それぞれのウイルスに感染しているかどうか分かります。
ノミは、猫や人に寄生すると、吸血により非常に強い痒みを起こします。
吸血を繰り返すうちに、ノミアレルギー性皮膚炎という激しい痒みを伴う皮膚炎を発症することになります。
また、痒い部分を舐めたりしてノミが口に入ることで、瓜実条虫という、お腹の寄生虫に感染してしまいます。
ノミは野外では気温の上がる時期しか生息できませんが、一旦室内へ持ち込まれると、1年を通じて繁殖することができます。
また、ノミの成虫を駆除しても、サナギの状態で長期間生存できますので、寄生が確認された場合は、卵・幼虫・サナギを含めた集中的・継続的な駆除が必要となります。
ダニは猫や人の皮膚にくっついて血を吸うときに、怖い伝染病をうつします。
(ここではマダニという草むらにいるダニを指します。イエダニではありません)
猫には、ネコ伝染性貧血(ヘモバルトネラ症)という貧血を引き起こし、場合によっては命に関わる伝染病を媒介します。
人には、最近新聞紙上を賑わしている、SFTS(重症熱性血小板減少症)という伝染病も媒介します。この病気は致死率も高く、有効な治療法もワクチンもありません。